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こんにちは!
BIG4勤務歴15年の会社員、こじろうです。
学生の間でも人気の高い就職先であるBIG4税理士法人ですが、もしかしたらあなたは
BIG4の新卒の採用ってどんな感じなんだろう…
とか
新卒は未経験だから不利なのかな…
といった疑問や不安を持っているのではないかと思います。
その不安、私にも分かります。でも私自身の経験では
新卒だからといって採用で不利にはならない
と言うことができますね。
また、最近では「新卒インターン」を行う法人も出てきているなど、質の高い新卒の学生の確保に積極的な法人もあります(後述)。
そこでこの記事では、BIG4税理士法人の採用での新卒の扱いや、採用に向けてのアピールポイント、そして気になる「新卒インターン」について紹介していきたいと思います。
なお、BIG4税理士法人の採用ではエージェント経由での採用も非常に多いですので、うまくエージェントを活用していくのもBIG4就職の有力な手段となります。
この記事の目次
BIG4税理士法人の採用での新卒の扱い
繰り返しになりますが、BIG4税理士法人の採用では新卒は不利になるというわけではありません。
現に、こちらのでも書いている通り私の同期は半分以上が新卒(しかも院卒)でした。
参考記事
その他、毎年の採用を見ても新卒を10人以上の単位で採用する、ということは普通でしたので、全く不利ということはありません。
人によっては「下手に他の事務所の色がついてない方がいい」ということを言う人もいますので、未経験者でも教育すればいいという発想が強いですね。
ただ、ある程度の条件、というか「アピールポイント」のようなものはあるかな、と思いますので、次にそちらを紹介します。
なお、社会人経験があっても未経験の場合には1年生スタッフからとなりますので、扱いは新卒と同じとなります(部署や法人によって違う可能性はありますが)。
BIG4税理士法人へ新卒で入社するための条件とは
科目合格
まず最初に条件となるのは「科目合格」。
当然ですが、多い方が有利です。
大学生の場合、早くても3年生からの受験となりますので、4年生の夏には簿財が受かっているかどうか、という感じかもしれません。
ですので、可能な限りこの2科目は押さえておきたいところですね。
新卒の場合、税理士ではなくUSCPAではどうかというと、うーん、こちらの記事に書いたように「USCPAだけではキビシイ」かな、というのが正直なところですね。
参考記事
やはり税理士法人への就職としては、税理士科目の方が重きを置かれることとなります。
そのうえでのUSCPAならば、プラスで評価されるはずです。
英語力
脅かすわけではありませんが、上の科目合格はある意味「一発勝負」的な側面があるので、実際には狙い通りに行かない可能性があります。
しかし科目合格の他にもアピールポイントはあります。
それが「英語力」。
TOEICが英語力の正確な指標となるかどうかは議論が分かれます(少なくとも英会話の指標ではない)が、参考値としては最も重視されていますよね。
ですので、TOEICの点数で最低でも700点台後半、できれば800点以上を取ってアピールするのも1つの作戦です。
内部では全員が英語が得意、というわけではなく、ゴリゴリの英語使いはけっこう重宝されます(移転価格は英語が得意な人も多いですが)。
PCスキル
最後のアピールポイントは「PCスキル」。
でも、「なんだ、PCか」と思わないで下さいね。
ここで言うPCスキルとは、メールのやり取りやウェブでの情報の調べ方、といったものではなく
エクセル・ワード・パワーポイント
の各種ソフト(ビジネス三種の神器ですね)が使える・慣れている、という意味になります。
この辺りは社会人経験のある人は慣れているケースが多いのですが、
学生の場合にはエクセルで計算資料を作ったり、パワーポイントでプレゼン資料を作ったり、といった作業に慣れていないことも多いです。
そのような事情から、上で挙げたソフトが使える、ということは(取っ掛かりとしては)「使いやすい人材」という点をアピールすることができる可能性が高いわけですね。
こういったアピールの仕方は色々と考えられますが、私の入社は10年以上前の話(笑)ですので、最近の事情については税理士業界に特化した専門エージェントへの相談が最も確実です。
BIG4税理士法人の新卒採用のプロセス
ここまでで「新卒は不利じゃない」「新卒のアピールポイント」に触れてきましたが、あなたは
そもそも、新卒はどのようにBIG4税理士法人に応募すればいい?
という疑問を持っているかもしれませんね。
その点については、基本的には
税理士試験直後の合同説明会(専門学校主催)に参加
が最も一般的です(2019年は8月9日と10日@東京)。
このような説明会では各法人がブースや席を設けて、個別の面談や説明を行っています。
その他にも、法人によっては5月~7月にかけて法人説明会を行っていますので、各社の採用ページは要チェックですね。
積極的に参加してアピールすると同時に、法人に色々と質問をして相互の理解を深めてチャンスをつかみましょう。
なお、法人によっては「新卒インターン」を行い、
実際に職場で実務を行わせながら採用を決める
ところもありますので、次にそちらについて紹介していきます。
新卒インターンのあるBIG4税理士法人は?
ほぼ全てのBIG4税理士法人で新卒インターンを実施?
ここ数年、「新卒インターン」を実施する税理士法人が出てきました。
これは学生に仕事の内容を体験し理解してもらい、採用側も適正を見て採用を決定する、という取り組みです。
現時点(2019年6月)では
- KPMG税理士法人
- EY税理士法人
- デロイトトーマツ税理士法人
が新卒インターンを実施しています。
またPwCでは「長期アルバイト」という形での求人はありますが、こちらが採用前提の募集なのかは不明ですね。
実は、このように一言で「インターン」と言っても実際には各法人の取り組みには大きな違いがありますので、その内容について説明していきたいと思います。
KPMG税理士法人の新卒インターン
KPMGは2種類のインターンシップを行っています。
参考記事
移転価格での2週間インターン
1つは移転価格での業務アシスタント。こちらは8月か9月に2週間の勤務となります。
実際には資料の作成等のお手伝いになりますが、専門家の仕事の現場を直に見て話を聞くというのは、他では得がたい経験ですよね。
なお、時給は1250円支給されます。
2日間の短期インターンシップ
もう1つは、これはインターンシップと呼んでいいのか分かりませんが、2日間のグループワークを行う短期インターンもあります。
こちらは税務の現場で仕事をする、というよりも、グループワークを通じて税務プランニングの醍醐味を学ぶ、という趣旨になります。
多国籍企業のサプライチェーンや本社機能の定義・設定など、私の大好物な内容ですね(笑)
この2日間で国際税務が分かるようになるとは期待できませんが、仕事のイメージをつかむにはいい機会であることは確かです。
EY税理士法人の新卒インターン
EYのインターンは他社と少し違いまして、採用前提の長期インターンとなっています。
会社のことを知ってもらう、というよりも、正式に採用プロセスの一環となっているわけですね。
EYの場合には、会社のウェブサイトからインターンを募集している、というよりも「キャリアバイト」という人材サービスを通じて募集窓口を一本化しているそうです。
参考記事
また、インターンのみが新卒採用の方法ではなく、従来通りの会社説明会での選考もありますので、そちらの日程も要チェックですね。
なお、EYの場合には専門学校主催の合同説明会よりも早く会社説明会を開いていますので、スケジュールには注意が必要です。
デロイトトーマツ税理士法人のインターン
デロイトの場合には、EYとKPMGをミックスしたようなインターン制度になっています。
つまり
- 2日間のグループワーク
- 採用を前提とした長期のインターン
の2種類がある、ということになります。
これらの情報は法人の採用ページに載っているのですが、長期のインターンについては部署ごとに独自に情報を出していますので、気になる場合には定期的にチェックが必要ですね。
現時点では
- 国内・国外税務サービス(東京)
- グローバルエンプロイヤーサービス(大阪)
でインターンの募集を行っているようです。
参考記事
まとめ:BIG4税理士法人は新卒採用に積極的
以上のように、BIG4税理士法人の新卒採用関係の情報を紹介してきましたが、基本的にBIG4税理士事務所は
新卒採用に積極的
です。
元々が教育体制もしっかりしていますし、各法人とも人材確保に力を入れていることが分かりますね。
ですので、新卒でBIG4税理士法人へ就職を希望している場合には、
- 税理士試験に全力で取り組む
- 英語力を磨く
- PCソフト(エクセル・ワード・パワーポイント)に慣れる
といった面で付加価値をつけ挑戦してみてほしいと思います。
また最新情報については、法人のウェブサイトの他にも人材サイトや人材エージェントなどから情報を得ることもおすすめです。
表だって出てこない情報なども出てくる可能性もありますから。